2014年
1月
30日
木
肘内障とは?(子供が手が痛い。手を動かさない。)
前腕(手首から肘までの部分)の橈骨(親指側の骨)の骨頭(先端部分)が、それを安定させている輪状靭帯からはずれた状態のことを「肘内障」といいます。わかりやすく言うと、亜脱臼の状態です。2~4歳の子供に多く発生し、靭帯が発達する7歳以降はほとんどみられません。
<症状>
突然強く泣き出したり、腕をほとんど動かそうとしません。肘の部分が腫れたり、赤くなったりすることはないですが、触ると嫌がることもあり、使わずに腕をだらんとさせています。
<原因>
親が手を引っ張ったり、子供の手を振り回したりしたときに多く発生します。また服を脱がしたり、寝返りをしたときにも起こることがあります。
<処置>
骨折ではないことをしっかり確認してから整復を行います。やり方としては、まず肘の部分(橈骨頭)を押さえて、手の平を上に向ける状態にして持ちます。それから、肘をひねるようにして曲げていきます。このとき肘の部分に「グジュ」という手ごたえがあります。これは、橈骨頭が元の位置に戻るときの音です。治療後は痛みはなくなって曲がるようになり、腕も上がるようになります。アイシングや固定をする必要もほとんどありません。
一度なるとクセになりやすいので、急に手を強く引っ張ったりしないように注意が必要です。もし不安があれば、すぐに専門医に受診することをおすすめします。
2014年
1月
27日
月
肩が痛い! ツライ! コル!
肩の痛みに悩まされている方はとても多いです。ではなぜ多いのか!?
それは、肩関節の構造に問題があります。肩関節とは、主に肩甲骨と上腕骨(二の腕の骨)からなる関節を言いますが、この関節は上腕骨の先端が肩甲骨の浅いくぼみにはまっている状態です。例えると、おちょこにソフトボールがのっているような状態で、とても不安定です。さらに、肩関節の周辺には、3つの関節があり、複雑な構造をしております。4つの関節を連動することで、肩は様々な動きが可能になっています。
肩関節には、筋肉のほか、靭帯や腱も複雑に入り混じっており、肩関節は安定した状態を保っています。肩峰と烏口突起をつなぐ靭帯がトンネルを作り、その中をくぐるような形で腱板という板状の腱がありますが、肩を動かす時にここに大きく負担がかかっています。例えば、腕を上げる時には、三角筋という上腕の大きな筋肉が収縮し、腱板も一緒に持ち上げられます。その時に、腱板が圧迫されるため、腕を上げる動作の時を繰り返していると、腱板が傷んできてしまいます。こうして、肩の痛みが引き起こされていくのです。