≪肩~痛みを自分で治す方法と日常生活での注意点≫
現代人に多い共通の悩みである「肩こり」とは、生活習慣だけでなく、意外な病気とも関係しており、肩こりについて正しい知識を知り、ご自分に合った対処法で体を改善していくことが大事です!!
●「肩こり」はなぜ起こるのか?●
肩こりの原因は、同じ姿勢の保持・腕や手の使いすぎ・首や肩の冷えなど様々です。こうした原因で肩の筋肉の緊張(収縮した状態)が続くと、筋肉が血管を圧迫して血液循環が悪くなり、血液によって運ばれる酸素や栄養分が不足しがちになります。さらに、筋肉を使うことでできる老廃物が血行不良により除去されにくくなり、やがてコリや痛みなどの不快感は筋肉を収縮させるため、ますます血液循環が悪化し、悪循環が続いてしまうのです。
肩周辺だけでなく、全身の血液循環の悪化も肩こりの原因になります。体の左右どちらかに偏った動作は"体の歪み"を生み、血行不良につながるため、いつも同じ腕や肩で荷物を持っていないかなど、日常生活での動作を見直してみて下さい。強いストレスも自然に肩に力が入り、血液循環を悪くする一因です。お仕事中でも息抜きの時間を入れてあげて、リラックスを心がけてみましょう。
※肩こりのメカニズム
1.長時間の同じ姿勢の保持などで筋肉が収縮し、血管を圧迫します。
2.そうなると、酸素や栄養分が不足し、老廃物がたまります。
3.その結果、末梢神経が刺激されて脳は痛みの信号を感じ取り、交感神経が緊張すると同時に筋肉の緊張を増長していき、放置することによってコリや痛みになります。
●自分でできる解消方法●
<体操で肩をリラックスさせる>
①肩の上げ下げ運動
両肩を耳に近づけるように上げて、ストンと肩を下ろします。
②肩の前後運動
1.右(左)腕を伸ばした状態で耳に近づけていくように上げて
いきます。
2.上げたら、そのまま元の位置に戻します。
3.最初の位置から、次は腕を伸ばした状態で、背中より後ろに
手を回します。
4.背中を丸めずにいけるところまで回したら、元の位置に戻し
ます。
③肩甲骨を内側に寄せる運動
1.頭の後ろで手を組み、背中にある肩甲骨を使って、肘を後ろ
に引っ張ります。
2.正面を向いて肘が見えなくなるくらいまで開いて、5秒間保
ちます。
3.ゆっくり息を吐きながら、元の位置に戻します。
④肩回し運動
1.右手を右肩の先に、左手を左肩の先につけて、両肘を前から
後ろに5回大きく回します。
2.終わったら、後ろから前に5回ゆっくり大きく回します。
⑤両腕を横に振り上げる運動
肘を伸ばした状態で、両腕を耳の高さまで大きく振り上げて、前に振り下ろします。
★①~⑤を各1セット5回ずつ行います。
<ツボを押す>
①天柱(てんちゅう):赤印
髪の生え際にあり、首の太い筋肉の外へりのくぼみを位置します。
②風池(ふうち):黄印
天柱の左右にあり、髪の生え際にあるくぼみを位置します。
③肩井(けんせい):
首と肩先の真ん中にあり、肩の筋肉の中心に位置します。痛い肩の反対の手の指を広げて肩に置いたときに、ちょうど中指があたるところです。
④雲門(うんもん):
鎖骨の下縁に沿って触っていき、肩関節の手前にあるくぼみを位置します。
⑤肩ぐう(けんぐう):
肩先にあり、腕を真横に上げたときにできるくぼみを位置します。
⑥曲池(きょくち):
肘を曲げたときにできる横じわの外側部分を位置します。
⑦外関(がいかん):
前腕(腕の肘から手首の部分)の外側にあり、手首の関節の真ん中から指2本分くらい手前のところに位置します。
●日常生活での注意点●
<日常生活動作において注意すること>
・後ろの物をとるとき:なるべく体の正面に取りたい物を近づけて物を取ります。
・上にある物をとるとき:肘が肩の高さを越えると肩に負担がかかるので、踏み台などを使って、できる限り腕を上にあげないようにして物を取ります。
・洗濯物を干すとき:洗濯物を干す場所を低くするとか、踏み台などを使って、できる限り腕を上にあげる動作を避けます。
・着替えをするとき:痛い方の肩から袖を通して、痛い方の肩から脱ぎます。前開きで背中や腰にファスナーやひもがない服が良いです。
・姿勢の意識
立位:耳・肩・骨盤の端・くるぶしをつないだ線が一直線になるのが一番良い姿勢
です。猫背による前かがみ姿勢などにならないようにすることが大切です。
★チェック方法★
つま先を少し広げてかかとはつけた状態で、壁に後頭部・肩・お尻・ふくらはぎ・
かかとをつけるようにして立ってみましょう!
座位:耳・肩・骨盤の端が一直線になるように座ります。(背骨が緩やかなカーブ
を描くような感じ)背もたれのあるイスの場合は、背もたれの真上に頭がく
るようにすると、頭の重さが背もたれで支えられるため、負担が軽くなりま
す。デスクワークの場合は、深めに座るようにして、机との間の距離を近め
にすると良いです。
<日常生活の中に取り入れること>
・ゆっくり入浴しましょう:
38℃~40℃位のぬるま湯に、20分~30分程入ります。
・鞄などの荷物は、できるだけ左右均等に持つようにしましょう。
・夏は、冷房や薄着で患部を冷やさないようにしましょう。
・寝る姿勢を気をつけましょう:
1.痛みがある方の肩を上にして、横向きに寝ます。
(寝室にテレビがある方は、いつも同じ向きにならないように注意)
2.理想の枕の高さは、横向きになったときに背骨と首の骨が一直線になる高さです。
3.睡眠時間をしっかりとることが大切です。(7時間程度眠ることが理想的)
・出来るだけ長時間同じ姿勢は避けましょう:
1時間ごとに肩のストレッチをして、肩の筋肉をほぐすようにすると良いです。
・食事は健康的な食生活を意識しましょう:
食事は不規則や栄養が偏らないようにすることが大切です。筋肉の疲労回復に役立つビタミンB群と血行促進を促すビタミンEが摂取できる、ホウレンソウや玄米、大豆などがお勧めです。
・ストレスをためないようにしましょう:
日頃からストレスを強く感じている方は、深呼吸をしてリラックスすると良いです。
・自分に合っているメガネやコンタクトレンズをつけましょう。
・有酸素運動を入れましょう:
ウォーキングやエアロビクス、水泳などの運動を入れると効果的です。
★日常生活の中で、無理なく始められるところから、意識してみましょう!!
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