今日は,花はすマラソンです。マラソンの熱中症対策 

 

熱中症は、暑い環境で生じる障害で、次のような症状があります。スポーツで主に問題となるのは熱疲労と熱射病です。

熱失神
皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳血流が減少しておこるもので、めまい、失神などがみられます。顔面そう白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどもみられます。脈は速くて弱くなります。
熱疲労
大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水がおこり、熱疲労の原因となります。脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられます。
熱けいれん
大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。暑熱環境下で長時間の運動をして大量の汗をかく時におこるもので、マラソン等にあります。
熱射病
体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)が特徴で、頭痛、吐き気、めまいなどのショック状態などもみられます。また、全身臓器の血管がつまって、脳、心、肺、肝、腎などの全身の臓器障害を合併することが多く、死亡する場合もあります。
マラソンの熱中症対策

マラソンにおける熱中症は 数時間に及ぶ長時間の マラソンは、多くの熱中症患者が発生しています。低ナトリウム血症 スポーツでは、塩分の摂取不足や水の過剰摂取によって低ナトリウム血症(血液中のナトリウム濃度の低下)が起こる場合があります。 軽症では無症状のこともありますが、倦怠感、吐き気、嘔吐、筋肉のこむらがえりなどの症状がみられます。重症では肺水腫(肺に水がたまった状態)や脳浮腫(脳がむくんだ状態)から呼吸困難や意識障害などの症状が起きる事もあります。 このような長時間の運動では塩分(0.1 ~ 0.2%食塩水)を摂取するとともに、水を過剰に摂取しないように注意する必要があります。普段の練習やレース中に体重を測定すれば、水分摂取の過不足をチェックすることができます。

 

熱中症の予防

1.水分補給:暑い時にはこまめに塩分の入った水分(スポーツドリンク)をとることが大切です。水分が失われて体重が2~3%減ると、運動能力や体温調節能力が低下し、熱中症になる可能性が出てきます。運動による体重減少が2%をこえないように水分を補給しましょう。また、マラソンの大会前には塩分摂取を少し増やしましょう。


2.飲水休憩:気温の高いときには飲水休憩をとって、体温の上昇を抑えるように気をつけましょう。


3.ウエアの工夫:運動の際のウエアも重要です。素材によって含気性、通気性、保温性、吸湿性、放湿性などが異なります。マラソンを走る時の天候に合わせて、気に入ったものを何種類か準備しておくことも必要でしょう。